令和4年度文部科学大臣表彰創意工夫功労者賞を受賞しました
表彰詳細
受賞者： 阿部 健人
受賞名：「汎用機械を用いた樹脂製反応容器の製作方法の考案」
受賞日：2022年4月18日
創意工夫功労者賞は、企業等において職場で実際に創意工夫を行い、飛躍的な作業能率の向上、製品の品質の向上、コストの大幅な削減など、科学技術振興の基盤づくりに貢献している方々を対象として、昭和35年から行っているものである。
今回はバイオ分野の研究支援として行っているテフロン製反応容器の製作に関する技術貢献を評価され、表彰された。
支援の具体的内容
バイオ分野の研究支援として実験装置の設計・製作を行っており、特に人工細胞膜を模した脂質二分子膜をシリコン基板上に形成したデバイス作製のための、耐薬品性に優れたテフロン製反応容器「テフロンチャンバー」の製作に携わってきた。
従来手法で作成された脂質二分子膜は安定性が低く実験系への導入が困難であったため
、脂質分子の流れを円滑にする滑らかな内テーパ形状加工を汎用フライス盤と傾斜円テー
ブルを用いることでテフロンチャンバー内部に施す手法を考案した。
顕著な貢献を成した研究成果の具体的内容
大幅な長寿命化と膜面積の拡張を両立し、溶液交換耐性と耐衝撃性を兼ね備 えた安定した脂質二分子膜を形成することに成功した。 また、イオンチャネルタンパク質を組み込んだ試料作製のために汎用旋盤を用いた遠心 機を利用可能なねじ式蓋付きテフロンチャンバーを考案することで、試料作製時の歩留ま り率が大幅に向上、副作用解析デバイス作製に関する研究実験に貢献した。
